「きび(黍)飯」です。
きびは、いわゆる「五穀(ごこく)」と呼ばれるものの一つです。
イネ科の一年草で、東インド原産です。
中国の華北地方では粟とともに古代の主要穀物でした。
弥生時代に中国から渡来しました。生長すると1メートル程度になり、夏から秋にかけて茎の先に20センチメートル程度の穂ができ、垂れ下がります。
秋に花が咲き、黄色い実がなります。
実(み)は「きびもち」や「きびだんご」にして食していました。
桃太郎の話に出てくる「きびだんご」は黍の粉で作られました。
実が黄色いことから「黄実」→「きみ」→「きび」と読みが変化しました。
栄養価は、良質のたんぱく質、食物繊維、カルシウム・リン・カリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄分などのミネラル、ビタミンB1・B2などの栄養素を豊富に含んでおり、ダイエット食品としても注目されています。
カリウム、マグネシウムの働きで、塩分の体外排出が促進され、高血圧の予防に効果を発揮し、食物繊維との相乗効果が期待できます
きび飯は、歯ざわりもよく、モチモチとしており、かめばかむほど味が出ます。
「梨棗(なしなつめ) 黍(きみ)に粟(あは)嗣(つ)ぎ 延(は)ふ 田葛(くず)の
後も逢(あ)はむと 葵(あふひ)花咲く」
(梨、棗と続くように、あなたに会いたい。葛(のつるが別れてまたつながるように、またあなたに会いたい。あなたに逢う日は花咲くようにうれしい) 作者不明
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